製造現場のエンジニアでよかったことを思いつくままに25個書き出してみました。万人に当てはまるものではないかもしれませんが、私が数年の業務経験から感じていることです。
学生さんからすると、研究室とはかけ離れた「製造現場」は、研究・開発部門と比べると想像がつきづらかったり、敬遠されがちな面もあると思います。しかしながら、足を踏み入れてみればとっても魅力的な職場です^^
化学工学や応用化学系などを学んでいて、生産技術の仕事に興味がある方の参考になれば幸いです。
また、自分用として、読み返してモチベーションを上げるためにも。。
※まだ1職場しか経験がないので、あまり一般的でないことも挙げているかもしれません。ご了承ください。
製造現場の化学系エンジニアで良かったこと
仕事内容
- 業務目標が数値(原単位、コスト、省エネルギーなど)で表現できてわかりやすい
- 大学で学んできたことを活かせる場面が多い(特に化学工学)
- 自分が設計したものが現場に数十年残る
- 日々の業務が勉強になる、普遍的な技術が身につく
- 仕事のスケールが大きい(生産量、売上高、設備投資額、設備の大きさ、などなど)
- トラブルなどの原因を究明できたときの達成感が大きい
- 利益の追求だけでなく、環境や安全などの社会的責任に対しても直接貢献できる
- プラントを築いてきた先人たちの思想や歴史を追体験することがあり、感慨深いものがある(さらに、自分も歴史の一部を担える)
職場環境
- 工場夜景が毎日のように見られてテンションが上がる
- 現場を歩くのが必須なので、デスクワークとはいえ座りっぱなしにならない
- 集中力が切れてしまったときでも、現場の草むしりで無心タイムを作れる
- 計器室はひっきりなしに誰かの話し声があり、無音よりもほどよく集中できる
- 遅くまで残業しても絶対に誰かいるので寂しくない(三交替職場の場合)
- ドアを開ければすぐ現物のプラントが見られる
服装、みだしなみ
- 出張時以外スーツやビジネスカジュアルを着なくて良い(会社による)
- 仕事中は制服(作業着)なので服装を考えなくて良い
- 作業着は帯電防止なので、冬場静電気でパチってならない
- お客様相手ではないので、清潔感さえあれば化粧や髪型も適当で問題なし(…?)
- 安全のため年中長袖・長ズボンなので、腕や足を見せずにすむ
- 作業着はかなり体型カバーできる
人間関係
- お客様ではなく社内の方と接するのが主なので、気楽
- そのため、ビジネスマナー完璧じゃなくてもなんとかなる(会社による?)
- 同僚の年齢層が18歳から定年↑くらいまでと幅広く、多様な考え方に触れることができる
- 機電系や土建系のエンジニアや、安全関係の部署、研究、営業など、社内のかなり幅広い部署と関われる
- 「お願いしてやってもらう」ことが多い立場なので、伝え方が上手くなる
まとめ
製造現場で働いていてよかった!と感じたことを書き連ねてみました。
皆さんの思う良かったことも教えていただけると嬉しいです。
また、もちろん良くないことも沢山ありますが、それはまたの機会に^^;
ご安全に!
コメント
化学工学に興味がある学生です。
化学工学勉強するのにおすすめの本、もしくは使っていた本を教えていただきたいです。今は基礎化学工学(培風館)で勉強していますが少しレベルアップしたもので勉強してみたいです。
大学図書館閉まって試し読みができないので質問させて頂きました、、、
コメントありがとうございます!返信が遅くなり申し訳ありません。
もともと教科書として使っていて、現在職場でもたまに開く本を3冊ご紹介します。
・反応工学 『Chemical Reaction Engineering』 Octave Levenspiel著
・移動現象論 『Transport Phenomena』 R. Byron Bird, Warren E. Stewart, Edwin N. Lightfoot著
上記2冊は基本がよくまとまっていますし、例題で演習もできます。
・化学工学全般 『化学工学の基礎』 朝倉書店
あまり詳しくはありませんが、基本的な式を確認するのに辞書的に使うことがあります。
でもお持ちの書籍と内容が被るかもしれませんね。(内容存じ上げず…申し訳ありません)
また、化学工学ではありませんが、アトキンス物理化学も時々見ます。
早く図書館が再開するといいですね!
ころ太さん
初めまして
私は来年4月から大学院の化学工学専攻で学ぶ予定の学生(女)です。(今は学部4年です。)
ブログ読ませていただいております。
生産技術職に少々興味があるのですが、よくネットには生技はブラックだとか、生技は理系で技術系なのに体力勝負だとか、現場は女性が働くのには向いていない等マイナス面ばかり書かれており、就活に向けて色々と悩んでおります。
会社にもよるかとは思うのですが、現場配属の技術職女性として入社後に大変だったことや、生技は実際ブラックなのかなど、色々とリアルなことを知りたく、質問させて頂きました。
また、学部時代の化工の授業で反応工学や移動現象論について授業時間内にあまり触れていないのですが、技術職になる前に勉強しておかないと苦労する化学工学系の分野は特にどこでしょうか?
お手数をおかけし申し訳ございません。
コメントありがとうございます。生産技術職に興味を持っていただけて嬉しいです!
>現場配属の技術職女性として入社後に大変だったこと
正直に言えば特にありません……。肉体労働がほとんどなく、すでに女性がいる(トイレ、更衣室など完備)職場だったのが大きいかもしれません。
現場のオペレーターの方はほとんどが男性で、私が男性だったらもっと親しくなれたのかな、と思ったことはありますが、
そもそも男女の差ではなく私の素質の問題が大きいですし、”親しくはなくても、仕事が円滑に進む関係”を築けるよう頑張ってます。
>生技は実際ブラックなのか
おそらく誰に聞いても同じことを言われてしまうと思いますが、企業によりますし、同じ会社内でも職場によります。
私はホワイトな職場におりますが、下調べが念入りだった、というわけではありません。ラッキーでした。
同じ「生産技術職」でも、企業によってカバーする範囲がかなり違います。業務の幅が広いと、経験値は上がりますがブラック気味な印象です。。
また、顧客に近い製品を扱っているか、川上の製品か、でもかなり様子が違います。
化学工学専攻にいらっしゃるとのことですので、比較的多くの先輩が生産技術職で働いていることと思います。
興味をお持ちの企業の社員と実際に話してみて、業務内容や残業時間、トラブル頻度などについて聞いてみてはいかがでしょうか。
※製造現場にいると「突然トラブルが起きる」場面があります。
普段がホワイトでも、トラブル時に急な対応が必要=ブラック、と思う場合はオススメしないです。
>技術職になる前に勉強しておかないと苦労する化学工学系の分野
特にないと思います。有機や材料、触媒、機械など、化工以外の出身の方も活躍されていますので。
化学工学すべての基礎が物理化学だと思うので、強いて言えば物理化学でしょうか。
入社してから学ぶこと、教えてもらうことが本当に多いです。
お答えになっていますでしょうか。また何かあればお気軽にどうぞ。