NIST Chemistry WebbookというWEBサイトをご存知でしょうか?
蒸気表がExcelで活用しやすいTab区切りのテキスト形式で取得できたり、化合物の物性値を取得するのに便利なデータベースですので、活用方法をご紹介したいと思います。
NIST Chemistry Webbookとは?
まずNISTとは、
アメリカ国立標準技術研究所(アメリカこくりつひょうじゅんぎじゅつけんきゅうじょ、National Institute of Standards and Technology, NIST)は、アメリカ合衆国の国立の計量標準研究所であり、アメリカ合衆国商務省配下の技術部門であり非監督(non-regulatory )機関である。
「アメリカ国立標準技術研究所」(2021年4月30日 (金) 21:30 UTCに取得)『ウィキペディア日本語版』
といった、信頼のおける機関です。
Nist Chemistry Webbookというデータベースを運営しており、無料で利用することができます。
- 熱化学データ:生成エンタルピー、燃焼エンタルピー、熱容量、エントロピ、相転移のエンタルピーと温度、蒸気圧
- 反応の反応熱化学データ:反応のエンタルピー、反応の自由エネルギー
- IRスペクトル、マススペクトル、UV / Visスペクトルなど各種スペクトル
- 流体の熱物理特性データ:密度、比容積、定圧熱容量、定容熱容量、エンタルピー、内部エネルギー、エントロピ、粘度、熱伝導率など←ここに蒸気表が含まれる
などを収録しています。
活用法1:蒸気表の取得
上記のページから蒸気表を取得できます。取得できるデータの中で、生産技術の業務では、飽和水・水蒸気の密度や熱容量、エンタルピー、粘度、熱伝導度などを使用することが多いかと思います。
まず「Water」を選択し、必要な単位を選択(下図は一例)、「Saturation Properties – temperature/pressure increments」を選択して「Press to Continue」ボタンをクリックします。

次のページでは、データを取得したい温度の最大・最小値と、温度の刻み幅を入力し、「Press for Data」をクリックすると、ページが切り替わります。「Other Data Available」の中の「Download data as a tab-delimited text file.」をクリックするとTab区切りの物性データがダウンロードできます。
これを技術検討用のExcelに貼り付ければ、VLOOKUP関数などで物性値を簡単に入力できて便利ですね。
活用法2:化合物の物性値検索
上記のページから、化合物名で様々な物性値、スペクトルなどのデータを検索できます。

検索結果のページで、「Other data available」の下にあるリンクをクリックして、必要なデータを探します。例えば「Gas phase thermochemistry data」をクリックすると、生成エンタルピーや定圧熱容量などの値と、それらの引用元の文献が一覧になっています。
番外編:TLVのサイトも便利
ある温度や圧力における飽和水蒸気のデータが欲しいときは、下記のサイトも便利でよく使用しています。TLVのサイトは、一部 無料会員登録が必要なものの、蒸気やスチームトラップに関する説明資料が非常に充実しています。

以上、参考になれば幸いです!
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